いつも応援いただき、ありがとうございます。現在、ネパール事務局のスタッフ達と2校目の学校づくりの計画についての議論と、候補地の検討を行っています。
ライ達が5年前にはじめて学校づくりをスタートした時は、お金も、頼れる助っ人もいませんでした。でも、「今、やらないと」「できることからはじめよう」と思って、ネパールの中でも一番教育の質が悪い地域に、竹と木とトタン屋根で、寺子屋のような小さな学校をはじめました。
今回の2校目づくりも、100万円が集めることができれば、まずは登記ができるので、そこから小学校低学年を集めて、来てくれた子どもたちとその家族、YouMe Schoolで教えてくれることを決めてくれた先生、そして応援してくださる日本の皆様と一緒に、また1校目のように、一歩ずつ少しずつ、良い学校づくりをしていこうと考えていました。
沢山の方々が応援してくださったお陰で、最初に考えていたことより、もっと大胆なことができるのでは?と考えています。まだ詳細について話し合っているところですが、今後の大まかな計画については5月中に発表できると思います。楽しみにしていてくださると嬉しいです!
2015年の年末から2016年の年始にかけて、日本人数名とネパール人数名がコタン郡のYouMe School(夢小学校)に訪問しました。
1週間ほど村人のおうちでホームステイをしながら、夢小学校で子どもたちと遊んだり、勉強を教えたり、村をトレッキングして大自然を堪能しながら村の暮らしをのぞいたり。元旦にはエベレストを臨む丘で子どもたちとピクニックも行いました。
以下はYukaさんからの訪問記です。Yukaさんは、関西の小学校で先生をされています。是非ご一読ください。
Q. 参加に至った経緯は?どんな経験を求めて参加されましたか?
「ホムカミ」というテレビ番組を通して、ライさんとYouMe School の子ども達の存在を知り、ネパールという国の教育に関心を抱きました。YouMe School の子ども達の「学校に通いたい、学びたい」と思う気持ちに、心打たれました。そして、そんな子ども達を支える先生方、YouMe Nepalの皆さんのお話を、実際に聞いてみたいと思い参加を希望しました。
(2014.5月放送「ホムカミ」での一場面)
Q. 参加を決意した後、ネパール訪問以前の準備段階でのお気持ちやエピソード等を教えて下さい。
今回、私は、子ども達と「工作」でコミュニケーションを取りたいと思いました。どんな物を作ったら子ども達が喜んでくれるかな?と考えるだけで、わくわくしました。と、同時に、道具は?材料は?子ども達のものづくりの経験は?英語が話せない私、作り方をどうやって説明する?と迷う事も沢山ありました。訪問プログラム担当の早坂さんに相談させて頂きながら、準備を進めていきました。最終的に、やじろべえと同じ原理で指先に止まる「バランストンボ」を作る事にしました。子ども達がどんな反応をするのか、とても楽しみでした。
(バランストンボの例)
Q. 日本を飛び立ち、無事にネパールに到着しました。コタン郡YouMe School訪問以外の旅行では、どんなことがありましたか?
最初に驚いたのは、ネパールの交通環境です。市街地でも、道路の状況が良く無いところがあったり、バスに収まりきらない人が乗車していたりと、日本の整備された環境を思うと、なかなかの衝撃でした。
ヒンドゥー教の聖地パシュパティナートを訪れた際には、「生」と「死」を身をもって感じました。今までは、「死」=悲しい事、つらい事という捉え方でしたが、あの空間にいると、それは当たり前の事であり、生活の一部であるような感覚になりました。
トレッキングが好きな私は、ネパールの雄大な自然に感動しました。目の前に広がる山々を見ていたら、時間を忘れました。満天の星空には鳥肌が立ちました。
Q.コタン村のYouMe School訪問や現地の人々との交流、ホームステイの経験はいかがでしたでしょうか。
YouMe Schoolの子ども達と一緒に居ると、自然と笑みがこぼれて、すごく温かい気持ちになりました。一生懸命勉強に励む姿や、上級生が下級生を引っ張っていく姿に、頼もしさを感じました。また、子ども達を見守る先生方の優しさと熱心さに、同じく教育に携わる身として、学ばせて頂く事が沢山ありました。「工作」の活動では、子ども達の器用さに感心しました。楽しんで取り組んでいる姿を見て、とても嬉しくなりました。ものづくりで人と人とは繋がれるという思いを以前から持っていたので、今回このような貴重な経験をする事が出来て良かったです。
ホームステイでは、日本の生活とのギャップに不便さや精神的な辛さを感じた時も、お母さんが明るく話しかけてくれたり、子ども達が私達のために色々準備をしてくれたり、皆さんの優しさに本当に救われました。
この先、ネパールの一番の魅力は?と尋ねられたら、まず一番に「人!」と伝えたいくらいです。ネパールを思い出す時も、皆さんの優しい笑顔が浮んできます。本当に、出会いに感謝です。 また、お母さんの手料理を味わえた事も有難かったです。日本に帰ってから、ダルバートを出してくれるお店を何軒か訪ねましたが、何だか違う。お母さん達の温かい思いがつまった手料理がとても恋しいです。
Q. 日本に帰国された今、ネパールを思い出すことはありますか?
ネパールから帰国した後、今まで当たり前だと思っていた事に、意識が働くようになりました。生活環境や、色んな面で保障されている事、自ら願えば自由を求められる事。当たり前過ぎて意識もしなかった事が、自分の人生をこんなにも豊かにしてくれていたのかと思いました。その反面、その豊かさって何なんだろう?と考えるようにもなりました。日本はネパールに比べたら、経済的にも、教育環境的にも恵まれていると思います。ただ、そこに暮らす人々が、どれだけそこに、豊かさを感じられているだろう。何をもって豊かさを語るかは、人それぞれだと思いますが、私自身は、ネパールの、人と人との繋がりから心の豊かさを感じました。自分が勤めている学校の子ども達に、ネパールで暮らす人々の写真を見せると、その「笑顔」に心惹かれる子がたくさんいました。子ども達からは、「生活が大変なのにみんな笑顔なのが凄いと思いました。」のような声があがりました。感覚的に、子ども達は、そこに心の豊かさを感じ取ったのではないかなと思いました。日本には有ってネパールには無いもの、ネパールには有って日本には無いもの、そこから、お互いに学び合っていく事が大切なんじゃないかなと思いました。
Q. 今回の旅で反省点などはありますか?
準備物としては、あれもこれも有ったら良かったと思う事もありましたが、何というか、日本での当たり前を一旦リセットする事が、現地での生活を楽しめる秘訣ではないかと思いました。自分の当たり前で判断してしまって、現地の方に失礼があったんじゃないかなと反省する点も多々ありました。観光と違って、学ばせてもらう立場で行くのなら、こちらの価値観ではなく、現地の方の価値観を受け入れる姿勢が必要なのではないかなと思いました。
Q.今回の訪問で、何かを得ることができたでしょうか?
今回、ネパールを訪問して、教育の必要性を強く感じました。学ぶ環境があり、学んでそれを活かす場がある。そして、子ども達が希望を持って生きていこうと思える社会がある。それらは、全て、私達大人の責任であるという事を感じました。ネパールにはネパールの課題が、日本には日本の課題があると思います。ただ、どちらにも言えることは、教育にこそもっとお金をかけ、学ぶ環境を整えていく必要があるということ。未来を担っていくのは子ども達であり、その子ども達が希望を持てる社会を作るのが、大人である私達の責任だと思います。
私は、「知る事は理解する事の第一歩」という考えを大切にしていきたいと思っているのですが、今回の訪問プログラムはまさに、貴重な第一歩でした。是非、また訪問したいと思いました。
Q. YouMe Nepalに向けて、メッセージをお願いします。
YouMe Schoolの子ども達が熱心に学ぶ姿から、ネパールの未来の希望を感じました。YouMe Nepalの皆さんが取り組まれていることは、子ども達の為であると同時に、国の為でもあると思います。
YouMe Schoolの子ども達が日本に興味を持ってくれた事、中には、日本に行ってみたいと言っている子もいました。もしも、そんな彼らの願いを叶えられるなら、何らかの形で協力したいです。
Yukaさん、ネパールとYouMe Schoolへの訪問、ありがとうございました!
その他、Yukaさんが撮って下さった美しい写真をこちらで公開しています。
2校目の学校も完成出来たら、色んな方にネパールと2校目のYouMe Schoolを訪問して欲しいと思っています。きっと、素敵な出会いが待っていますよ!
■YouMe School
ライ達が始めた夢小学校。こちらから詳細をご覧いただけます。
http://youmenepal.org/youme-school
訪問を希望される方は、
[email protected]
まで、お問い合わせください。